アスベスト解体工事に関わる補助金についてまとめました!
解体工事前の調査で建物にアスベストが含まれることが判明した場合、解体工事前にアスベスト除去工事を実施する必要があります。
アスベスト除去工事には、本体の解体工事とは別途に費用がかかります。
よって、アスベストを含む建物の解体工事を検討されている方は、総額がいくら必要かを心配される方も多いと思います。
しかし、アスベストはその飛散により健康被害を及ぼす物質なので、その被害を最小限にくいとめる調査や処分が必要とされており、国土交通省が補助金制度を設けています。
補助金制度を利用することで、解体工事費用を抑えることが可能です。
今回は、アスベスト解体工事の補助制度について説明します。
Contents
アスベスト解体工事に関する補助金
アスベスト解体工事に関する補助金は2種類あります。
本項ではそれぞれの助成金について解説をします。
・アスベスト調査に対する補助金
アスベストの分析調査に対して補助金が支給される場合があります。国が示している支給条件は以下の通りです。
[補助対象]建築物のアスベスト含有の有無に関する調査
[対象建築物]吹付けアスベスト、アスベスト含有吹付けロックウール、吹付けバーミキュライト、吹付けパーライトが使用されている可能性がある建築物
[補助額]原則として25万円/棟まで
ただし、自治体によっては補助金の支給条件や支給額、申請方法が異なる場合がありますので、事前に管轄の自治体の窓口などで確認することが必要です。また、補助金の給付が決定した場合には、調査業者に調査を依頼することになります。
・アスベスト解体工事に対する補助金
国によって、アスベスト除去工事に対して補助金が交付される制度が創設されています。以下は国が提示している支給条件です。
[補助対象]アスベストの除去、封じ込め、囲い込み工事
[対象建築物]吹き付けアスベスト、アスベスト含有の吹き付けロックウールが使用されている可能性のある建築物
[補助額]地方公共団体の補助額の1/2以内(かつ全体の1/3以内)
アスベスト解体工事に対して申請する場合、各自治体の申請窓口で手続きを行います。ただし、自治体によって申請方法や交付額などが異なるため、必ず事前に確認が必要です。
助成金手続きの流れについて
本項では、助成金を利用するための手続きを紹介します。
1:見積もり・補助金申請
補助金を申請するにあたっては、まず自治体で実施されている事前相談の申し込みを行いましょう。相談の際には、住宅の平面図や配置図、現況の写真などを持参することが望ましいです。
補助金の申請が可能であれば、次に除去にかかる費用の見積もりを複数の解体業者に依頼して選定します。アスベスト解体工事は特殊な工事のため、専門知識を持ち、アスベスト解体費用などを明確に示した見積もりを提示してくれる業者が適しています。
また、申請先の自治体内の業者でないと利用できない場合があるので注意が必要です。
見積もりを決定したら、補助金交付申請書を提出し、審査を受けます。補助金交付決定通知が届いたら、解体業者と契約を結び、工事を進めます。
2:事前調査の実施
建物内のアスベストを解体する前に、まず事前調査が必要です。図面調査では、建築材料にアスベストが含まれているかどうかを確認します。また、天井や壁、柱などアスベストを使用している可能性の高い箇所を目視で確認し、サンプルを採取する現地調査も行います。
採取されたサンプルは、アスベストの有無を確認する定性分析と、含有率を確認するための定量分析が必要です。これにより、アスベストの有無や含有率を正確に把握することができます。ただし、図面調査、現地調査、分析調査のそれぞれに費用がかかることに留意する必要があります。
3:届出の提出
建築物の解体工事を実施する場合、発注者は建築物解体等作業届、工事計画届出、特定粉じん排出等作業届出書を提出する必要があります。
4:解体工事の実施・助成金の受け取り
届出が完了したら、解体工事を開始します。この際、近隣住民にアスベスト解体工事を行うことを事前に通知し、飛散を防ぐために養生シートなどを使用して清掃作業を毎日実施します。さらに、解体工事現場に作業内容を掲示することが大気汚染防止法によって義務付けられています。
工事が完了したら、現地確認を行い、完了検査を実施します。完了検査後、補助金額が確定し、請求書を提出することで補助金が交付されます。
まとめ
アスベストの解体は、健康被害を引き起こす可能性があるため、解体工事前の調査で建物にアスベストが含まれることが判明した場合、本体の解体工事とは別でアスベスト解体工事を実施する必要があります。
そのため、総額の費用を心配される方も多いのですが、国土交通省や地方自治体から補助金を受け取れることがありますので、申請をしっかり行うようにしましょう。
ぜひ参考にしてみてくださいね。