解体工事豆知識

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解体工事の工法!異なる10工法を紹介します。

建物の老朽化や建て替えなどの理由で、家やビルを解体する場合には、様々な工法が用いられます。住宅やビル、マンションなどの建物によっても異なるため、解体する建物に適した工法を選ぶことが重要です。

本記事では、解体工事の工法について解説していきます。

 

解体工事における工法の種類

・分別解体

以前は、ミンチ解体が主流でしたが、現在では建築リサイクル法により禁止され、今は部分解体が主流になりました。

分別解体とは、建物を解体する際に廃材を品目ごとに分別しながら解体する手法です。廃材の品目には、コンクリートやアスファルト、木材などがあり、建設リサイクル法によって分類されています。

分別解体は、環境に優しく、資源の有効活用ができることから、現在主流の解体方法となっています。解体した廃材は、再利用やリサイクルされ、新たな建材や製品として生まれ変わります。

分別解体を行うためには、専用の設備や資格を持った業者が必要となります。建物の種類や規模、廃材の品目によって解体方法は異なりますが、適切な分別・処理が行われることで、環境に配慮した解体が実現されます。

 

・手壊し解体

手壊し解体は、解体作業に重機や特殊工具を使用するのではなく、人力で建物を解体する方法です。大型の建物や高層ビルなどの解体には使用されないことが一般的で、小規模な建物の解体や一部の解体に用いられます。

手壊し解体では、鉄鎚やドリル、ハンマーなどの基本的な工具を用いて、壁や床を壊し、解体していきます。そのため、作業時間や費用は他の解体工法に比べてかかる傾向がありますが、慣れた作業員であれば手早く作業を進めることができます。

また、騒音や振動を抑えられるため、周囲の環境に配慮することができ、分別も同時に行うことができるため、リサイクル率も上がります。

 

・機械解体

機械解体とは、建物の解体作業において、重機やクレーン、ブレーカーなどの機械を使用して行う解体方法です。作業効率が高く、安全性も高いため、現在では主流の解体方法の1つとなっており、手壊しで一定部分まで進め重機が搬入できる状態になれば解体をしていく方法になります。

機械解体は、建物の規模や形状、解体予定地の状況などに合わせて、最適な機械を選定し、作業を行います。

 

・転倒工法

転倒工法は、建物を支えている柱や梁などの構造物を切り離し、あえて建物を崩壊させる方法です。建物が崩壊する際には、近隣住民の安全を確保するために専用の防護壁を設置し、振動や騒音を抑える対策を行います。

この工法は、建物内部に手の届かない場所にある部分や、周囲に障害物が多い場所など、重機や作業員が入りづらい場所での解体に適しています。また、建物の高さがある場合でも、崩壊後に解体する必要がなく、撤去の手間やコストが省けるメリットがあります。ただし、周囲への影響や安全性に関する配慮が必要です。

なお、手順は構造物によって異なりますが、いずれにせよ作業には高度な技術が必要です。

 

・カッター工法

カッター工法とは、加圧機械を使用して鉄筋コンクリートを切断する方法です。以前は「ハツリ」と呼ばれるブレーカーやピッチングハンマーを使った方法が主流でしたが、騒音やコンクリート片の飛散などの問題がありました。

カッター工法は、騒音や飛散を最小限に抑えることができ、近隣への影響も最小限に抑えることができます。また、営業中のビル内でも作業が可能であり、密集した場所での解体工事にも適しています。公害対策としても有効な方法です。

 

・圧砕機工法

圧砕機工法とは、解体対象となる建物の鉄筋コンクリートを特殊な圧砕機械を用いて粉砕し、取り外す方法です。この工法は、高さがある建物や狭い敷地など、重機の使用が制限される場所でも解体作業を行うことができます。

圧砕機による解体作業では、油圧式の粉砕機を使用するので、騒音や振動が少ないため、近隣住民への影響を軽減することができます。また、解体現場から運び出されるコンクリート粉砕物は、量が多いため、対策が必要であるとも言われています。

 

・ワイヤーソーイング工法

ワイヤーソーイング工法は、ダイヤモンドを付けたワイヤーを使ってコンクリートを切断する解体工法です。主に鉄筋コンクリート造の建物の解体に使用されます。

ワイヤーを対象物に巻き付け、高速で回転させることで切断します。この方法は、振動や騒音が少なく、粉塵の飛散も少ないため、近隣への影響が少なく、屋内でも使用可能です。

ただし、コストが高く、切断中に水処理が必要なため、事前に十分な検討が必要です。

 

・ウォータージェット工法圧砕機工法

ウォータージェット工法は、高圧の水流を使って建物や構造物を切断する解体工法の一つです。特殊なノズルから噴射される水流は、非常に高速であるため、コンクリートや金属などの硬い素材も簡単に切断することができます。

ウォータージェット工法は、ワイヤーソーイング工法と同様に、振動や騒音が少なく、粉塵が発生しないため、周囲への影響を抑えることができます。また、ノズルを変えることで、切断面の形状を自由に調整できるため、精密な作業が可能です。

また、ウォータージェット工法を行うことで、粉塵なども水と一緒に処理を行い排水するので、環境への負荷を少なくすることができるのですが、高圧ポンプや専用のノズル、配管、水タンクなど、多くの機材を必要とするため、コストが高くなるというデメリットがあります。

 

・ブレーカー工法

ブレーカー工法は、大型のブレーカーを使用して鉄筋コンクリートを破壊・粉砕する解体方法です。

ハンドブレーカーは小型で移動が容易であり、重機が入りにくい場所でも使用できます。しかし、適切な技術が必要であり、熟練した技術と経験が必要となります。

一方、大型ブレーカーは油圧ブレーカーを搭載した重機で、鉄筋コンクリート造の建物などに使用され、高い効率性があります。しかし、大きな振動や騒音、粉塵が発生するというデメリットがあります。

 

・静的破砕剤工法

静的破砕剤工法は、上記で説明したような工法が使用できないときに主に行われます。

機械的な力を使わず、建物のコンクリートを特殊な薬剤で破砕する工法です。建物内部に穴を開け、その中に破砕剤を注入して一定時間経過後に薬剤が反応してコンクリートを破砕します。

この工法のメリットは、振動や騒音、粉塵が発生しないことです。また、コンクリートの破砕に時間がかかるため、隣接する建物への影響が少なく、建物の周辺環境を考慮した解体ができます。

ただし、破砕剤の注入や取り除き作業など、特殊な技術が必要となるため、高度な専門知識を持った技術者が必要です。

 

まとめ

いかがでしたか?

本記事では、解体工事の工法の種類について解説しました。

解体工事には様々な工法があります。

ぜひ参考にしてみてください。

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